お前の涙、俺だけに見せて
すると、麗ちゃんは野澤君を引っ張って帰っていった。
私は麗ちゃんに手を振り返す。
「俺らも帰るか」
「うん!」
三神君と一緒に帰れると思うと、自然と足取りが軽くなる。
密かに放課後デートだって思っても、いいよね?
しばらくして、三神君の家の近くにあるスーパーに到着した。
「食料、本当になにもないの?」
カゴを持ち、店内を歩き回る。
三神君は私の後ろをついて来ていた。
「ない」
そんなにきっぱり言わなくても……
あ、パスタが安い。
「調味料くらいはある……よね?」
「多分」
曖昧だと怖いんだけど……
下手すれば、なにも作れないからね。
まあ、パスタなら調味料少なくたってどうにかなるか。
あとはレトルトのトマトソースを……
「俺、トマト嫌いなんだけど」