お前の涙、俺だけに見せて
なんて真顔で言ってくるもんだから、面白くてしょうがない。
私は悪いと思いながらも、吹き出してしまった。
「三神君、本当に料理下手だったんだね」
「……うるせえ」
三神君は拗ねたのか、顔を背けてしまった。
「俺、食器出すわ。道具とか場所がわかんなかったら聞いて」
三神君はキッチンから離れた。
なんだか、可愛いなあ。
「すぐ出来るからね」
そして私はすぐに完成させた。
「……俺、確実に邪魔したな」
食卓テーブルに置かれたパスタを見ながら、三神君は肩を落とした。
「そんなことない……よ、多分」
中途半端な励ましになっちゃった。
でも、言いきれないし……
「……いただきます」
あぁぁ……
三神君、落ち込んだまま食べ始めちゃった。
「そうだ、三神君って頭いい?」
「なんで?」
「今日の課題の範囲、ちょっと難しいから、一緒にできたらな……と」