お前の涙、俺だけに見せて


私が、ベクトルが真逆な話題だと思ったのがこれ。



まあ、勉強以外私たちに共通の話題ないんだけどさ。



「わかった」



よかった……


少しは機嫌、直してくれたかな?



夕ご飯を終え、三神君が食器を洗ってくれた。


本当に、洗い物スキルは高いなあ……



「で、今日の課題って数学の?」


「うん。私、確率は苦手で……」



今日出された範囲は運悪く、そこ。



私一人でやれる自信がないんだよね……



「俺も苦手なんだよなー、確率」



……マジですか。



三神君はカバンから筆箱とノート、メガネケースを取り出した。


そして、黒縁メガネをかける。



……メガネかけた三神君、すごくかっこいいんだけど。


勉強に集中できる気がしなくなってきた……



「西野?」



すると、三神君が私の顔を覗き込んでいた。



どうしよう、本当にイケメンすぎる……

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