お前の涙、俺だけに見せて
三神君が起きなくて、準備出来ない、っていうね。
そんな三神君は、数十分で準備を終えていた。
「なあ、西野。なんで先に食べてたんだ?」
家を出てすぐ、三神君はそう聞いてきた。
私だって、聞きたいことあったのに。
というか、なんで先に食べた、か……
「私、食べるのに時間がかかるほうで、三神君を起こしてからだと、間に合わないの」
「ふーん。でも、明日からは一緒に食べるぞ」
「……三神君、起きないじゃん」
それは、自然と口からこぼれていた。
言うつもりなかったんだけど……
まあ、事実だからいいかな……?
「起きるよ」
「その自信はどこからくるの?」
なんか、お姉さんの口調に似てるような気が……
三神君にはよく思われたいのになあ……
「明日、絶対に起きてやるからな」
三神君はそう言って、私の頭を小突いた。
「三神ー!」