お前の涙、俺だけに見せて
そう言われても、いつもの髪型に慣れてるからどうしようもないんだよね……
「三神を落とすためにも」
麗ちゃんは周りに聞こえないよう、耳打ちで言った。
私はその言葉に、過剰に反応してしまった。
麗ちゃんはいたずらっ子みたいに笑っている。
「朝はそんな時間、ないから……」
「でも、昨日はやってたじゃん」
「それは……」
お姉さんがやってくれたから、とは言えないし……
というか……
「朝は三神君が……」
私はそう言いかけて、口を閉じた。
「三神?なんで三神が出てくるの?」
「俺と西野が一緒に住んでるからだよ。で、今日は俺が起きなかったから、時間がなかった」
すると、三神君がまた助け舟を出してくれた。
というか、そんなにすんなりとバラしちゃうんだね。
せっかく、二人の秘密だと思ってたのに。
「へえ、千秋と花ちゃん、同棲してるんだあ」