お前の涙、俺だけに見せて
いつの間にか野澤君が来ていたみたい。
……タイミング、悪いなあ。
なんか、一番知られたくない人に知られた気分。
「じゃあ、今日遊びに行くよ!」
野澤君は三神君の肩を組んだ。
三神君は迷惑そうに、顔をしかめてる。
「嵐士が行くなら、私も行く!」
すると、麗ちゃんが手を挙げた。
私の髪はもう完成したみたい。
昨日とは違って、ハーフアップになってる。
「来んなよ」
三神君、本当に迷惑そう……
「えー。いいよね、花?」
「えっと……」
私がよくても、三神君が嫌なら断ったほうがいいよね……?
私が困惑してたら、三神君がため息をついた。
「わかった。ただし、俺が帰れって言ったら、すぐ帰れよ?」