お前の涙、俺だけに見せて
なんて、暴言じみたこと、言えないんだけどね……
「三神君も、コーヒー飲む?」
「ああ」
私は三神君のカップにもコーヒーを淹れる。
「野澤君って、どうして麗ちゃんと付き合わないのかな?」
淹れたてのコーヒーを渡しながら、聞いてみる。
今日の二人を見てたら、もうカップルみたいだったんだもん。
美男美女で、お似合いの。
「アイツらの恋愛事情なんか、知るか」
三神君、冷たいなあ。
まあ、私は人のこと気にしてる場合じゃ、ないんだけどね。
麗ちゃんとダブルデートするって約束しちゃったし、頑張らないと、だから。
「西野、先に風呂入る?」
「いや、三神君先にどうぞ」
「ん」
三神君はカップをさげ、お風呂場に向かった。
そして、三神君が入ったあとに私も入り、その日は就寝した。