お前の涙、俺だけに見せて
翌朝、朝食の準備をしていたら、三神君は本当に自力で起きてきた。
「今日は……雨が降るかも……」
「驚きすぎだろ。もともと、一人だったときは起きれてたんだし……」
うん、そうだよね。
「なら、どうして私が来たら起きれなくなるのかな?」
「さあ?」
……大きな子供のようだよ、三神君。
可愛く首を傾げないで。
そして、私たちは一緒に朝食を済ませ、学校に行った。
「席替えしよーぜ!」
ホームルームが終わった瞬間、ある男子生徒がそう叫んだ。
そっか、もう五月だもんね。
黒板には、クラス全員分のマスと数字が書かれた。
どうやらくじ方式みたいで、教卓の前にみんなが集まってる。
「西野は引かないのか?」
自分の席でぼーっとしてたら、三神君が声をかけてきた。