お前の涙、俺だけに見せて
麗ちゃんはさっき見せなかった表情を、三神君に向けている。
「そこは私が座るの。三神、邪魔」
麗ちゃんは無理やり三神君を立たせ、三神君の椅子に座った。
三神君はため息をつき、その隣の席に、そして野澤君が私の隣に座る。
「え、え?みんな、なんで……」
「あわよくば、花のおかずがもらえないかなと」
……なるほど、そんな魂胆があったんだね。
「それに、一人より大人数のほうが、ご飯も美味しくなるでしょ?」
それは一理あるかも。
そういうわけで、私は麗ちゃんたちと昼食を終えた。
本当に、楽しい時間だった。
のに、それが原因で、私は苦しみを与えられてしまった。
「地味子のくせに、千秋に近寄ってんじゃねーよ!」
「千秋だけじゃなくて、嵐士にまで!」
「目障りなんだよ!」