お前の涙、俺だけに見せて
放課後、いつものように買い物をして帰ろうと思っていたら、昇降口を出た瞬間に数人の生徒に校舎裏に連れていかれた。
抵抗する暇もなく、首根っこを掴まれていたから、ほぼ引きずられたようなものだった。
恐怖しかなかった。
本当に怖くて、視界が自然と滲んでいった。
「これで済むなんて思わないでね」
暴力こそはなかったものの、彼女たちはそう言い捨てて、解放してくれた。
私は力が抜け、その場に座り込んだ。
「私なんかが三神君のそばに、いたらダメなのかなぁ……」
そう思ったら、涙が溢れて止まらなかった。
だけど、どんなにダメだって言われても、三神君を諦めることなんてできない。
三神君がそばにいることが当たり前になりつつある今、そばにいられないと思っただけで、悲しくなるなんて……
「私、本当に三神君が好きだ……」
三神君のそばにいれるなら、どんなにいじめられても、耐えられるような気がするんだ。