お前の涙、俺だけに見せて

私は上げた腰を、また下ろす。



「千秋が家に帰ってきたのはいいんだけど、ずっと不機嫌なの。花ちゃん、なにか知らない？」


「え……？」



三神君が、不機嫌……



どう考えても、原因は私にしかない。



私が三神君になにも話そうとしないからだ。



でも……


三神君には、心配かけたくないんだもん。



「その様子だと、なにか知ってるみたいだね」



お姉さん、鋭いです。



私は言い逃れできないと思い、いじめられていることを話した。



「……それ、千秋のせいじゃん」



いやまあ、簡単に言ってしまえば、そうなんだけど……



「そりゃ、千秋に言いにくいよね。でも……千秋に言ってみたら？」


「どうしてですか……？」


「千秋なら、絶対にそのいじめをやめさせることができるから」



そうかもしれないけど……



「ま、とにかく話してみなよ。今から出れる？」



私は出かける準備をし、三神君の実家に行った。



そして、三神君の部屋に通された。