お前の涙、俺だけに見せて
「西野!?なんで……」
私の登場に、三神君は目を見開いた。
「ちゃんと、仲直りしなさいよー」
お姉さんは私を部屋に残して、ドアを閉めた。
三神君と私の間には、気まずい空気が流れる。
「三神君……!」
なんとか言おうと決意して、いじめのことを伝えた。
「……どうして言わなかった?」
「三神君に、心配かけたくなくて……」
すると、三神君はそっと私を抱きしめた。
「……バカ。そんなくだらない理由で我慢してんじゃねーよ」
私の体温は、驚くほどの勢いで上昇していく。
「俺の知らないところで傷つくな。守れないだろ」
三神君の声色は優しいような、悲しいような、なんとも言えないような感じだった。
三神君、急にどうしたんだろう……
というか、私自身、動揺が走りすぎて、抵抗できないんだけどね。
すると、三神君は私から離れた。
……もう少し、引っ付いてたかったな。
「俺のそばに、いてほしい」