お前の涙、俺だけに見せて
三神君はまっすぐ、私の目を見ていた。
私の体温はますます上がってく。
「西野、俺と付き合ってほしい。俺が、お前を守りたい」
「わ、たしで……よければ……お願い、します……」
緊張のあまり、自分でも驚くくらい、カタコトな日本語になってしまった。
そして、私の返事を聞いた瞬間、三神君は私に抱きついた。
勢い的には、お姉さんと全く一緒。
さすが姉兄だなあ……
「いじめは絶対になくさせるから、安心しろ」
三神君の言葉を聞いて、私はなぜか、安心した。
そして翌日、私は三神君と登校した。
この前となにも変わらないのに、幸せだなあ。
「花!久しぶりだー」
下駄箱で上履きに履き替えていたら、麗ちゃんが背後から抱きついてきた。
「おい、触るな」
すると、三神君が麗ちゃんを私から引き離した。