お前の涙、俺だけに見せて
そして、三神君効果か、いじめはなくなった。
みんな、納得いかないような視線を向けてたけどね。
それはしょうがない、うん。
で、一番の問題が……
「花ちゃん、千秋なんかやめて、俺にしない?」
野澤君です。
休み時間の度に、私をこんな感じにからかう。
三神君と麗ちゃんの目が怖い怖い。
「野澤君、あの……」
「ん?なになに?俺とデートしたい?よし、行こう!」
ダメだ、この人話が通じない。
「おい、嵐士!いい加減にしろよ」
三神君は野澤君を私から引き離す。
「麗ちゃん……」
三神君と野澤君から少し距離を取り、辛そうな表情を浮かべる麗ちゃんのところに行く。
「ごめん、花。ちょっと今、話したくない」
麗ちゃんはそう言って、教室を出ていった。