お前の涙、俺だけに見せて
ありゃりゃ。
いつの間にいつもの三神君に戻ったの。
てか、名前でって……
「早く、呼べよ」
そう言って、三神君はまっすぐ、私の目を見てきた。
カッコイイ……
って、そうじゃなくて。
名前で呼ぶなんて、緊張してできるわけ……
「花、早く」
ないのに!
このタイミンクで名前呼ばないでよ!
余計緊張しちゃうし!
出来るわけないのに、三神君は期待の眼差しで私を見てくる。
逃げられない、よね……
「ち、あき……君」
「君、いらない」
……わがまま。
「千秋!これでいい?」
もう、半分やけだった。
それなのに、千秋は満足そうな顔をしていた。
「好きだよ、花」
……千秋のバカ。