お前の涙、俺だけに見せて


麗ちゃんの集中力はプツリと切れたみたい。


まだ料理始めたばかりなのに、ものすごく目を輝かせてる。



「麗ちゃん、なに食べたい?」



私の気分は小さな子を相手する親ってとこかな。


それくらい、麗ちゃんのテンションは見ててほっこりした。



「花が作るものなら、なんでも!ていうか、いつまでちゃん付け?呼び捨てでいいよー」


「んー、でも……」



最近ようやく名前呼びに慣れてきたからなあ。



「三神は呼び捨てにできてるじゃん」


「なっ……」



そっぽ向く麗ちゃんは可愛いけども!


いつそれに……!



「花、自分で呼んだの、気付いてないの?」


「……うん」



それくらい、自然と呼んでたのかな。



これは……


どう捉えるべきなの……



「だから、私のことも呼び捨てにしてよ」


「じゃあ、ついでに俺もー」

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