お前の涙、俺だけに見せて


あれから二週間経って、今日はその中間試験の結果表が渡された。



「じゃあ、いくよ?せーの!」



放課後、私のクラス。



麗の掛け声で、私たちは自分の結果表を見せ合う。



上からいくと、私が十二位、麗が十三位、千秋が五十位で野澤君が百十一位。



「俺だけ三桁!?」



野澤君、あんなに頑張ってたのに……


私はいい励ましの言葉が思い浮かばない。



「つーか嵐士、欠点あるじゃん」



麗の言う通り、野澤君は英語で欠点を取っていた。



「ダブルデートはまた延期だな。嵐士の欠点を消すのが優先」


「でも、次のテストまで一ヶ月はある!」



野澤君、どれだけダブルデートがしたいの?


まあ、この場合は勉強が嫌とも取れるけど。



「十点の人間が一週間だけで、学力上げらるわけないでしょ!」



麗……



しっかりと喝を入れたのはいいよ?


正論だし。

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