お前の涙、俺だけに見せて
でも、大声で点数言うのは……
「なら、麗が付きっきりで教えてくれる?」
あ、野澤君気にしてないっぽい。
本人がいいならいっか。
「しょ、しょうがないなあ」
そう言う麗は、どこか嬉しそうだった。
野澤君との時間が増えるもんね。
「てか、何気に花が一番成績よかったね」
「麗とそんなに変わらないよ?」
順位も並んでるし。
「それでも上は上だよ。ね、三神」
「ああ。なら、俺は花に教えてもらうか」
三神君は名案だと思ったからか、得意気にした。
でもね、名案じゃないよ。
……それは私が集中できないんだよ、きっと。
「それじゃ、私たち帰るね」
すると、麗は楽しそうに教室を出ていった。
「花、なにか食べて帰らねーか?」
私たちもと、荷物を持って昇降口に向かう途中、千秋がそう提案してきた。
「アイス食べたい!」
すると、千秋は任せろと言わんばかりに、私の頭に手を置いた。