ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「だって」

と頷いたミライが、ウフッと微笑んで僕の前に寄って来た。

(?)

何だ何だ?と、ミライが肩をキュッと窄めてニッコリと僕を見つめて、口を開いた。

「世界で一番、ア・イ・シ・テ・ルからだもん、なんてね♪」

えっ、ナニを言い出すんだいミライ?

「…」

みんなが呆気に取られて顔を見合わせる中、ひとりハニかんだ笑顔をみせるミライ。と、広海君が声を上げた。

「ねえそれって、愛してるから出来たのよって、そう言いたいワケ?」

と広海君の問い掛けに、「ウフフ」と笑顔で返すミライ。すると、広海君たちのおしゃべりに一斉に火が点いた。

「やだぁ、アイシテルだってぇ!」

「言ってくれるじゃな~い!」

「じゃあじゃあ、やっぱり先生の事好きなんだ!ヒューヒュー!」

ってオイ、そっちに話がいくのかヨ。

「フフッ、冗談よ、たまたまそうなったから言ってみただけ」

と、ミライが微笑んで返すと、場が一気に和やかになった。

「そっかー。さっきのセリフ、うまく使われちゃったんだね~」

「ねぇねぇ、冗談って言いながら、ホントはノロけてるんじゃないのぉ?」

「いつまでも見つめ合っちゃってぇー。このこのぉ~」

と突っつかれたミライが、手を振りながらおどけてみせた。なるほどね。

(こんなゴマかし方も出来るんだな)

ルミちゃんたちのセリフを聞いて覚えて、

(それをすぐ応用したってワケか…)

よく出来てるよ。
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