探偵喫茶へようこそ
そう言いながら、画面を海に見せた。
出ているのは、あるSNSサイトのページ。
『Hirokazu』という名のアカウントが出ている。
一つの投稿に、有名人並みの反応がある。
「ガチファンか」
海の呟きで、海が内容を確認したと思った知由は、画面を戻した。
「その男はどういうわけか、夢郷未咲が結婚をしていることを知った。そこで、夢郷未咲の所属事務所にメールを送った。それがこれだ」
そして違う画面を出し、また見せる。
『バラされたくなかったら大人しく三崎洋一と離婚しろ』
これを知由がどう手に入れたかは話さないでおくが、そこにはメッセージと写真が映っていた。
「ご丁寧に家の写真まで……やりすぎだろ、コイツ」
海は引いたような目をする。
「だが、二人は離婚しなかった。だから、奴は三崎洋一を殺すことを決めた」
「……マスコミに言うってのはどこに消えた。いきなりぶっ飛びすぎだろ」
呆れるを通り越し、いよいよ恐怖さえ感じ始める。
「奴の怒りはそれで収まるようなものではなかったのであろう」