探偵喫茶へようこそ
「……わかんねえな」
「同じく」
二人揃って似たような顔をした。
「でも、それがどうやったらお前に繋がるんだ?」
「わからないのだ、それだけが」
知由は悔しそうに拳を握る。
「予想は?」
「あたしが夢郷未咲の娘だから……あ」
知由がひらめくと、海はそれに続くように言う。
「俺もなんとなく思いついている。お前を餌にすれば、二人が離婚すると考えたんじゃないかって」
納得出来ることで、知由が否定することはなかった。
ただ一つ、腑に落ちない点があった。
「……どうやってあたしの存在を知ったのだ?」
「それは俺にもわからねえ。お前の情報のロックは確かにしっかりされている。少し切り抜けたとしても、出てくるのは住吉家の養子ということだけ。どう頑張っても二人の子供という情報は出せねえんだよ」
海の言葉を聞いて、知由は目を見開いた。
「今褒めたな」
知由はどこか得意げにしている。
「認めただけだ。勘違いすんな、クソガキ」