探偵喫茶へようこそ
「じゃあ、二人が離婚してないことは知ってるのか」
ボディガードや尾行をしていれば、嫌でも家がわかる。
そこで、二人が同じ家に着けば、疑問に思わない方がおかしい。
「ああ。聞かれたから、あたしが教えた」
気付けばまた、知由はパソコンとにらめっこをしている。
何をそこまで調べているのか、皆目見当もつかない。
「……なあ」
「なんだ。まだ話があるのか?」
手を止めていた時間が少し長く、知由はこれ以上邪魔するなと言わんばかりに言い放つ。
「やること終わって暇なんだ、付き合え」
「あたしは暇じゃないが」
「いいから。三崎夢里がここに依頼に来たのは、お前の安否を確かめるためでいいよな?」
勝手に続ける海に対し、知由はため息をつく。
「……だろうな。ここでのやり取りは演技だったのであろう」
「さすが、実力派女優」
海は感心した。
そんな海を見て、知由はまた睨む。
「くだらない会話をする気なら、やめるぞ」