探偵喫茶へようこそ


だが、その一言でわかったらしい。


雪兎は躊躇いながらも、了承した。



「……わかった」


「待つのはいいが、聞かせることは出来ないからな?」



そして正広は知由の目的を何となく予想し、あらかじめ言った。



「チッ」



バレたか、と言わんばかりに知由はまた舌打ちをした。



「することがなくなった。ウサギ、帰るぞ」



知由は不服そうに足を出す。


と思ったが、その一歩で止まった。



知由は振り返り、正広に言う。



「そうだ。一弥と夢郷未咲に事情聴取が終わったら喫茶店に来るよう伝えてくれ」


「わかった、伝えておこう」



それを聞いて、今度は雪兎のほうを見る。



「ウサギ、今滋に連絡出来るか?」


「出来るよ」



雪兎はポケットに入れていたスマホを取り出す。



「三崎洋一を連れて喫茶店に戻ってこいと」


「言えばいいんだね? 任せて!」



やっと事件に関われることを任され、雪兎は嬉しそうに知由の台詞を遮った。

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