探偵喫茶へようこそ
「実は、これが届いたんです。それで、夢里は……」
洋一は届いた二枚の紙を渡す。
そして、語尾を濁した。
京子は洋一の言いたいことをなんとなく察し、続きを聞くことはなかった。
そしてそれを読み、京子は息を飲んだ。
それと同時に、あることを思った。
「本当に知由のことが大切なのね……」
京子は夢里の寝顔を見つめる。
「夢里は自分の手で知由を育てたかったんだと思います」
「ええ、わかってるわ。その機会を、その想いを親である私が潰した。娘のことを思いすぎて、娘も孫も傷つけた。後悔してもしきれない」
京子は手に持っていた脅迫状を、強く握りしめた。
「んん……」
すると、夢里がゆっくりと目を開けた。
「夢里……!」
「洋一くん……お母さん……? ここ……病院……?」
朦朧とする意識の中、夢里は二人の顔を確認した。
「そうだよ。よかった……」
夢里の意識が戻り、洋一は安心し、涙を流した。
それから京子は担当医を呼びに、病室を出た。