探偵喫茶へようこそ
「洋一くん、知由に実際に会ったんだよね?」
夢里はため息混じりに聞いた。
「うん、会った」
「知由がどこにいるか、なんてわからない……よね?」
聞きながら自信がなくなった夢里は、語尾が小さくなっていた。
「いや、誘拐を頼んだ一人が報告してくれた。知由は、この喫茶店にいるらしい」
洋一はあるホームページを開き、夢里に見せた。
探偵喫茶。
知由が雪兎たちとやっている喫茶店のホームページだ。
「……私、知由のところに依頼しに行ってくる」
「え?」
夢里の発言に、洋一は耳を疑った。
「実際に、知由に会ってお願いすればいいのよ! そうしたら、知由が危険になったらすぐにわかる!」
夢里はいい案を思いついたと、嬉しそうに言う。
「でも、夢里……お前、知由に会って大丈夫か?」
「大丈夫! 私は演技派女優。ちゃんと演技してみせる」
夢里は胸を張る。
「……わかった」
洋一は夢里の力、自信を信じてそう言うしかなかった。