探偵喫茶へようこそ
すると、夢里のスマホの着信音が鳴った。
「マネージャーからだ。もしもし?」
夢里はその場で電話に出た。
洋一は気にせず、飲み干したコップをさげる。
『あ、夢郷さん? とある探偵社から、一人をボディガードにと連絡が来ました』
「え? 本当に?」
『はい』
「わかった、ありがとう!」
夢里はマネージャーが何かを言いかけたにも関わらず、電話を切った。
「どうした?」
夢里がますます嬉しそうになったから、洋一にもそれが伝染る。
「知由が依頼受けてくれた! で、多分だけど……全部バレる」
楽しそうに言ったと思えば、顔を下げた。
「なるほど、知由が捜査する気になったんだな」
「また嫌われるかな?」
夢里の表情は不安でいっぱいだ。
「まあそのときはそのときだよ。とりあえず、よかったね」
洋一は優しく夢里の頭を撫でた。
「うん!」
夢里は笑顔に戻り、元気よく答えた。