探偵喫茶へようこそ
「ちょっ、どうして……」
外に出たのは一弥と雪兎だけでなく、全員だった。
「他人がいたら気使うかもしれないでしょ? だから、あのまま三人にしてあげようよ」
滋の言う通りで、雪兎はそれ以上反論しなかった。
「ちぃちゃん、あの人たちと暮らすのかな……」
雪兎は膝を抱えて座り、顔を埋めた。
「お前が心配してもどうしようもないだろ。結局はあの悪魔が決めることなんだから」
「そうですけど……」
知由の気持ちが一番。
知由が暮らしたいと言うなら、そうさせるべき。
頭では思っていても、やはり知由と離れたくない雪兎は、そう思わないで、と願ってしまった。
「今回、こんなややこしい事件が起こったのって、あの二人が知由ちゃんのことを大切に思いすぎて、起きたってことだよね……?」
夏芽は誰に聞くわけでもなく、でも確かに質問した。
「でも嫌われた、捨てられたと思っていた三崎は推理ミスをした。だから、私たちも頭が追いつかなかった」