探偵喫茶へようこそ
知由はパソコンを閉じ、鞄に入れた。
三人はスマホの電源を入れ、確認をする。
画面は普段見るロック画面だった。
「戻ってる……」
夏芽は目を疑った。
本当に、こんな小さな子があの数分間で……と、思考の迷路に入っていた。
一方、一弥や滋からしてみれば、もう慣れたことだった。
むしろ、知由なら出来ると思っていたかもしれない。
「あとはアイツらを取り戻すだけだ」
知由が車から降りると、残りの三人もついて降りる。
そこは寂れた工場だった。
夕暮れ時というのも重なり、かなり気味が悪い。
「本当にここにいるのか?」
一弥は入りたくないのか、今さら知由の言葉を疑った。
「いる。どれだけ情報にロックをかけていても、所詮あたしより下。余裕で解除可能だ」
「でも、みさきちゃんみたいに、嘘の情報かもしれないよ?」
滋も一弥と同じことを思っているらしい。
「人に頼っておいて、今さら文句を言うな!」
「そうだよ。知由ちゃんの言葉を信じて、ここまで来たのは私たちじゃん」