探偵喫茶へようこそ
知由の味方をしたのは、意外にも夏芽だった。
知由は驚き、夏芽の顔を見る。
夏芽は知由の実力を思い知ったから、知由の味方をしているのだ。
「こんな腑抜けた男たちは置いといて、私たちだけで行こっか」
夏芽はそんな知由の手を引き、入り口に近付いた。
夏芽に言われて目が覚めたのかは知らないが、一弥たちもあとに続く。
『……そのチビがラビットか』
横開きのドアの取っ手に手をかけると、頭上から声がした。
揃って見上げると、そこには監視カメラがある。
見えはしないが、その隣にスピーカーもあるのだろう。
「……ボイスチェンジャーを使っているな」
知由は呟く。
よく見ると、拳を握りしめている。
チビと言われたのが気に食わなかったらしい。
「海と雪兎は無事か!?」
犯人がそこにいるとわかったからか、一弥は感情的になり、カメラに向かって思いっきり叫んだ。
『ああ。しかし……あと一時間後にはわからないが』
「おい、三位。どういう意味か説明しろ」