探偵喫茶へようこそ
知由は相手を挑発しにかかった。
一弥と滋は一気に熱が引いただけでなく、冷や汗をかく。
『うるさい! 今、私は一位なの。アンタみたいなガキに、負けるわけがない!』
見事に挑発に乗った相手は、普段の口調で言ってしまった。
知由は右側の口角を上げる。
「うわ、嫌な顔するな、アイツ」
それを見た一弥は、顔をしかめる。
『……三十分だ。あと三十分で奥の部屋にたどり着けなかったら……爆発させてやる』
相手は冷静さを取り戻し、そう言った。
「ただそこに向かうだけとは言わないだろうな?」
『もちろん。今から行うゲームにラビットが勝てなかったら、全員死亡。この工場は爆発する』
「人の命をなんだと思ってんだよ……」
相手の言葉に、一弥は怒りを覚えた。
それを見ている相手は、鼻で笑った。
『ルールは簡単。そこのドアを含め、奥の部屋まで七つのロックされたドアがある。それを解除するだけの、簡単なゲームだ。だが、ドア一つ一つには爆弾を仕掛けた。もし無理矢理開ければ、その爆弾は爆発する』
想像以上のゲームに、一弥や滋、夏芽は息を呑む。
「なるほど、面白い」
『ちなみに、すべて制限時間は五分で、解除と同時に次のカウントダウンが始まる』
「いいだろう」