探偵喫茶へようこそ
しかし、知由はまた笑みを浮かべている。
『では、スタートだ』
相手の言葉と同時に、電子音がした。
ドア上部に、小さな爆弾がある。
少しずつ数が減っていると思えば、急に止まった。
三人は目を疑う。
「終わった」
後ろでは知由がパソコンをいじっていたらしく、もう爆弾の解除をしたらしい。
ほんの数十秒のことだった。
「……マジか」
「天才なのは知ってたけど、さすがに……すごすぎ」
「何をしている。早く次に行くぞ」
知由はパソコンを持ち、棒立ちしている三人の先を行く。
ドアを開け、中に入ると目の前の壁に、右向きの矢印が印刷された紙が貼られていた。
知由はそれに従って右に進む。
そして、次もまた十秒程度で突破した。
「……ねえ、一弥。僕たちが来た意味、ある?」
「言うなよ、滋。今必死に目、背けてたんだから」
三人は大人しく知由のあとをついて行くだけだった。
次のドアまでに、端から端まで歩かされた。