探偵喫茶へようこそ


知由がエンターキーを押すと同時に、二人は息を揃えてドアを蹴飛ばした。



「おぉ。カッコイイ」



そんな後ろ姿を見た夏芽は、小さく拍手した。



そして知由の作戦は見事に成功し、最後の部屋へとたどり着いた。



そこには手足を縛られ、壁際にまとめて座らされている雪兎と海がいた。


それから、反対側の壁には椅子に座り、机の上に置かれたパソコンを前にした金髪の女性がいる。



「お前が世界三位か」



知由は彼女に突っかかり、あとの三人は海と雪兎のもとに駆け寄り、縄を解く。



「三位って言わないで! 私はレジーナ。世界一のハッカー!」



彼女、レジーナは机を叩き、勢いよく立ち上がった。



「今さっきの勝負でもまだ、一位だと言い張る気か」


「それは……!」



レジーナは言葉をつまらせる。


呆れた知由は、ため息をつく。



「お前は結局何がしたかったのだ」


「私は……ラビットの実力が見たくて……」


「嘘を聞く気はない。本心を言わないなら、帰らせてもらうぞ」

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