探偵喫茶へようこそ
知由は向きを変え、出口に向かう。
「悔しかったの!」
一弥たちも知由に続いたが、レジーナの叫び声を聞き、足を止めた。
「一位、二位が急にいなくなって、私が一位になれた。それは嬉しかった。でも、実力で取れた一位じゃないから……」
「ここで勝負をし、勝てたら本物の一位になれると思ったんですね?」
自由の身となった雪兎が、優しく声をかけた。
レジーナは首を縦に降る。
「……では、私がラビットだと知っていたのか?」
レジーナは力なく椅子に座り、頷いた。
「姿は見たことなかったけど、女だってことは知ってた。だから、ラビットは誘拐しなかった。二位に勝てたとしても、それは実質二位。だから、絶対にラビットと対決したかった」
「じゃあ、どうしてゆっきーも誘拐したの?」
次は滋の質問。
次から次へと質問が来るが、レジーナは一つずつ答えていく。
「空海を連れ去るところを見られたから」
「よく、成人男性二人を運べたな。お前みたいな女一人じゃ、無理だろ」
「そんなの、お金に決まってるでしょ」
全員思うことを聞いたのか、その部屋に静寂が訪れた。