探偵喫茶へようこそ
「刑務所……」
雪兎の言葉が心に引っかかったレジーナが、驚いたように呟く。
「元世界二位が刑務所に入ってたってこと?」
「それがどうした」
海は自分のパソコンと睨み合いながら答えた。
もう行動を開始するらしい。
まあ、雪兎もいない今、喫茶店を開くのは不可能。
やりたくなくても、やらなかったら暇だ。
つまり、海にとって、これは暇つぶしにすぎない。
「私、そんなヘマをした人に負けてたの……?」
今度は絶望したような顔。
なかなかに表情が忙しい。
海は付き合いきれないと、返事すらしなかった。
「それで、単独行動って?」
レジーナが反論するのを遮るように、夏芽が尋ねる。
「僕は情報屋、海はハッカーだったんだ」
「だから、単独行動……私、滋について行っていい?」
「えっと……」