探偵喫茶へようこそ
「雪兎……俺は役に立つ奴を連れて来いと言ったはずだが?」
正広は雪兎の隣でうなだれている一弥を睨んだ。
負けじと一弥も睨み返すが、あっさりと負けてしまう。
「海さんも滋も、単独行動が得意だから……」
雪兎は苦笑いしながら、二人の勝負を見ていた。
「なるほど、余り物か」
そして正広は一弥を挑発し続ける。
勝ち目がないとわかっているからか、一弥がその挑発に乗ることはなかったが。
「とりあえず、中に入ろ?」
ここでも発揮される、雪兎の癒し。
その言葉で正広の挑発は終わり、捜査本部の元へ移動を開始する。
「今回の事件がなかなか解決しなくてな。知由に力を借りようと思ったんだ」
その途中、正広が連絡した理由を話した。
まあ、雪兎も一弥も、なんとなく予想していたことだ。
「警察があんなガキ頼るとか、世も末だな」
「なんだと?」
「はいはい、喧嘩しない。話が進まないから、やめてね?」
いつもの笑顔だけど、目が笑っていない。
おまけに、今の雪兎の雰囲気はどこか正広に似ているところがある。
その結果、一弥は口を閉じた。