探偵喫茶へようこそ
彼女……知由は立ち上がって手錠、目隠しを外す。
「どうして、あなたのセリフなの?」
「お前たちはあたしに巻き込まれたようなものだからだ。だから、必ず親元に返してやる」
知由はそこにいる全員を不安にさせないよう、はっきりと言い切った。
知由の眼差しは強く、皆目を離すことが出来なかった。
まあそれ以前に、知由の容姿に見惚れていたのかもしれないが。
「……あんたに何が出来るの」
そう言ったのは、知由と同じクラスの中矢友奈(なかやゆな)。
知由を嫌っている女子の一人だ。
友奈はそう言いながら、倉庫の端に移動した。
「中矢……お前も捕まっていたのか」
知由の言葉を聞いた友奈は、知由を睨んだ。
「相変わらず、あんたは他人に興味ないのね」
「お前、あたしに興味持たれたいのか?」
「ばっかじゃないの。馴れ合う気もないわよ」
すると、知由は鼻で笑った。
「気が合うな。あたしもだ」