探偵喫茶へようこそ
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捜査本部では、それぞれが集めた情報が報告されていた。
「誘拐された子供たちには、共通点がありません。あるとすれば、この市内の小学校に通っている低学年の女子、ということくらいです」
「つまり、何もわからなかったわけだな」
前に座って報告を聞いている正広は、厳しく言った。
「……すみません」
その刑事は小さな声で言い、着席した。
「次の報告は?」
「もうありません」
一人の刑事がはっきりと言った。
「……探偵側。何か掴んだんだろ?」
正広は後ろの方に座っている雪兎たちに呼びかけた。
すると、滋が勢いよく立った。
「僕が集めた情報と、海が集めた情報、似たようなものだったから、僕が報告するね!」
睨まれている状況だというのに、滋はいつも通りの口調で、笑顔だ。
だが、今回文句や陰口を言う人はいなかった。
警察が掴めなかった情報を知っている相手に、そんなことできなかったのだ。