探偵喫茶へようこそ
そのうち我慢しきれなくなり、友奈は涙を流した。
一度流れてしまえば止まることはなく、ずっと流れる。
泣いてるせいで、パンが喉を通らない。
「天才ちゃん、食べ終わっ……」
すると、タイミング悪く、女が入ってきた。
誤魔化す時間は全くなかったため、入れ替わってることがバレてしまった。
「服を交換していたのね……!? 天才ちゃん……三崎知由はどこ!?」
女は鬼の形相で友奈に迫り、両手で肩を揺らした。
友奈は恐怖から、何も言葉が出てこない。
「おい、どうした」
すると、男も部屋にやってきた。
殺される。
そう感じた友奈は、ますます何も言えなくなった。
「三崎知由じゃなかったのよ! あのガキ、服を入れ替えて逃げてたの!」
「そうか。でも、どうしようもねえだろ」
さっきとは逆に、男のほうが落ち着いている。
男の言葉を聞いて、女は友奈から手を離した。