探偵喫茶へようこそ
男の人に優しく聞かれ、友奈はゆっくりと頷く。
「僕、みさきちゃんに頼まれて来たんだ。もう大丈夫だよ。警察が来たからね」
この人は間違いなく、「みさき」と言った。
この状況で友奈の頭に浮かぶのは、あの美少女悪魔だ。
この人、信用していい人だ。
友奈は直感で、そう思った。
「……三崎は?」
「犯人を追いかけてるよ」
友奈はその言葉を不思議に思った。
「三崎は犯人がここにいないって、分かってるの……?」
「うん。なんてったって、みさきちゃんは天才だからね」
「それ、理由になってないと思う」
友奈は冷たく言い、自力で立ち上がる。
「三崎は全部わかってたんだ……」
「え?」
友奈の独り言に、男の人が反応する。
「なんでもない。ところで、お兄さん名前は? 三崎とどういう関係?」
「僕は櫻井滋。みさきちゃんとは……そうだな……同僚ってとこかな」