探偵喫茶へようこそ


「人を馬鹿にして、いじめて楽しんでるの……?」


「……何言ってるの?」



友奈は滋の言っている意味がわからなかった。



だが、滋の中の知由はこの言葉通りなのだ。



「友奈ちゃんが、僕の知ってるみさきちゃんまんまだって言うから……」


「たしかに、馬鹿にしてる。でも、いじめて楽しむなんてことはしてない……」



そこまで言って、友奈は口を閉じた。


自分の言葉に自信がなくなっただけだった。


知由が、実は楽しんでいたのかもしれない。


そう思える節がいくつかあった。



「そんなことしてたら、みさきちゃんも嫌われるよなあ……」



滋はまた苦笑する。



友奈はその発言に対して明言はせず、話続ける。



「あの見た目だから、好きにならない男子はほとんどいない。で、よく男子は好きな子をいじめる、なんて言うじゃない? でも、少しでもいじめたら、三崎はそいつに倍以上の仕返しをしてたの」


「うん、そうじゃなかったらみさきちゃんじゃないよね」



真剣な顔で言うものだから、どこか笑えてくる。

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