探偵喫茶へようこそ


「なんだ、生きていたのか、中矢」



その瞬間、聞こえてきたのは悪魔の声。


一瞬にして殺意が湧く。



友奈はその悪魔、知由を睨む。



「そんな言い方はないでしょ? ちぃちゃん」



すると、眼鏡をかけた優しい雰囲気の男性……雪兎がそう言った。



「そうそう。この子はお前に巻き込まれ、お前に囮を押し付けられた、可哀想な子なんだから」



運転席からも、友奈を庇う言葉が聞こえてくる。


車の保持者、一弥だ。



「まあこれも三崎の計算のうちなんだろ?」



さっきの眼鏡の人とは違って、知由と似たような感じの人……海もいる。



全員はじめましてなのに、揃って友奈の味方らしい。



というか……


顔面偏差値が高い。



そう感じた友奈は思わず見惚れた。


特に、雪兎。



「当然だ」



すると、知由が楽しそうに笑っている。

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