探偵喫茶へようこそ


その笑顔が視界に入り、友奈は知由のほうを見る。



「どこまでわかってたのよ」


「お前なんかに言っても理解出来ないだろうからやめておこう」


「ちぃちゃん」



知由がいつものように友奈を馬鹿にすると、雪兎が知由を呼んだ。



それだけなのに、知由は大人しく友奈の質問に答える。



「……全部だ。初めから、全てわかっていた」



信じられなかった。


でも、この状況で嘘をつかれる理由もない。



「少女誘拐事件を知り、すぐに共通点がわかった。そして犯人を捕まえるには、実際に誘拐されるのが一番だと考えた」



知由は今までの行動の説明を始めた。



「それはそうかもしれないが、どうして俺たちに言わなかった?」



運転席のほうから質問が飛ぶ。



「言ったら止められるとわかっていたからだ。特に、ウサギに」


「当然だよ! 危険だとわかって許すわけない!」



雪兎は当然と言わんばかりに声を荒らげた。

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