探偵喫茶へようこそ
「おい、滋。少し雪兎を黙らせとけ」
「はーい」
海に言われた通り、滋は文句を続けそうな雪兎の口を塞いだ。
「お前ら、レジーナがどうしてウサギと海を誘拐したか、覚えているか?」
それを横目に、知由は質問を投げた。
「ラビットと戦うため……だったよね?」
滋は自信がなくなったのか、確かめるように海の顔を見る。
海は肯定の意味を込めて頷いた。
「……なるほどな」
だが、違うことを思いついたのか、一弥はそう言った。
「え、え? どういうこと?」
全く理解出来ない滋は、知由と一弥の顔を交互に見た。
「レジーナはラビットの正体がラビットだとわかっていた。どこから手に入れたかは知らないが、その情報が流れていたことは確かなのだ。だから、ここ周辺の少女が誘拐されるようになった」
知由の言葉では整理出来なかったようで、滋は頭に疑問符を浮かべている。
知由がわかりやすく説明しようと考えていたら、一弥がそれを遮る。
「犯人は三崎の力を求めている。だが、三崎だけを誘拐すると目立つ。そのカモフラージュのために、多くの少女が誘拐された。そういうことだな?」
「ああ、そうだ」