探偵喫茶へようこそ
「で? どうやってお前にたどり着いたと考える?」
「レジーナの馬鹿がネットに書き込んだだろう」
知由は不機嫌に言い放った。
それを疑問に思う人はいなくて、車内に静寂が訪れた。
「……全然わかんない」
一人……友奈は違ったが。
友奈は何も知らない。
知由が探偵として活動していることも、レジーナの存在も。
だから、今の説明はほとんどわからなかったのだ。
「ていうか、今の説明になってたわけ?」
「中矢、少し黙っておけ。犯人を捕まえたらいくらでも文句を聞いてやる」
知由が真剣な表情で言うから、友奈は言われるがまま黙った。
「さて。あたしの親だと名乗っていた阿呆な犯人を苦しめに行くか」
そんなことを言う知由は、まるで悪者のような顔をしていた。
そして知由に指示された場所に、一弥が車を運転して向かった。
「この車……間違いないな」
到着したのは、廃ビルだった。
その近くに、知由が無理矢理乗せられた車が停められている。