探偵喫茶へようこそ
「まあ導き出す、というのも間違ってはいないだろうが……本当の目的は殺すことであろう?」
すると、男が急に笑いだした。
「流石だ……流石だ、クソガキ。なぜわかった」
と思えば、知由を睨む。
だが、知由は睨み返さず、目を伏せた。
「……思考回路は似るらしいぞ、親子は」
「遺伝ってやつか? 笑わせるな」
男が呆れたような笑みを浮かべると、外からパトカーの音が聞こえてきた。
警察が到着したらしい。
男の笑みは消え、舌打ちをした。
「またな。天才探偵」
男は煙玉を使い、知由たちの前から姿を消した。
「……二度とあたしの前に現れるな」
知由の顔は、小学生とは思えないくらい、怖かった。