探偵喫茶へようこそ


「なんで殺そうと……」


「あたしが知るか」



夏芽の独り言に、知由が冷たく言った。


すると、夏芽はじっと知由を見つめた。



「……知由ちゃんの言うことは正しい。私も、産んだってだけで親っていうのはおかしいと思う。でも、知由ちゃんは本当は、実の両親に興味があったんじゃない?」



夏芽の言葉に、知由は動揺を見せた。



「いきなり何を……」


「だって、そうでしょう? 本当に興味がなかったら、親のことを調べようなんて、思わないはず」



それは正論で、他の人も納得している。



「暇つぶしだ。ただなんとなく、調べてみたくなったのだ」



しかし、知由はまるで考えていたかのような言い訳を並べた。



「うん、そうだろうね。でもいくら暇つぶしでも、どうでもいいことを調べるようなこと、しないでしょう?」



だが、夏芽はそれの上をいった。


知由がこのような言い訳をすることを、予測していたらしい。


「それは……」

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