探偵喫茶へようこそ


それなのに、一弥に続いて滋が言った。


だが、鬱陶しく思った知由は、滋も睨んだ。


すると、滋は首根っこを掴まれたかのように大人しくなった。



「一弥は三崎夢里、滋は三崎洋一の尾行をしてくれ」



そして、知由は作戦の指示を出す。



「了解」


「はーい!」



一弥と滋が返事をする。


それから知由は海に視線を移す。



「海は三崎夢里と三崎洋一の情報を片っ端から集めてくれ」


「時間はかかるぞ」


「問題ない。あたしの推理を確かなものするのに必要なだけだ」



そう聞いて、海は小さくわかった、と答えた。



「そして、ウサギと夏芽、レジーナは店を頼む」


「え?」



事件解決のための何かを任せられると思っていた雪兎は、気の抜けたような声を出した。



「いつ解決するかわからない案件だ。その間ずっと休みにしておくわけにはいかないだろう?」

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