探偵喫茶へようこそ


「……わかった」



納得のいかないような色を見せたが、雪兎は首を縦に振った。


そして、夏芽とレジーナも頷いた。



「お前は何するんだよ」


「ここで情報収集だ」


「あっそ」



自分で聞いたくせに、一弥は興味なさげに言った。



「一弥」



それに怒ったのか、知由は一弥を呼んだ。


一弥も怒られると感じたのか、身構えた。



「……なんだよ」


「ちょっと」



端に連れて行かれ、余計に恐怖が大きくなる。



「殺しに来るのは親父じゃない」


「……は?」



怒られなくてよかった、という安心を軽く超えてくるような内容で、一弥は一瞬思考が止まった。



「だから、アイツだけに警戒するなよ」


「いや、え? どういう意味だ? 確かにこの前、殺すためにお前を誘拐したって……」

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