巨大ロボ!戦え! ガンスロン
「……」

あまりの加速に、気を失った真由は、シートに流れた電流で、無理やり目を覚まされた。

「寝てる場合か!」

潤一郎の声に目覚め、はっとして、画面を見ると、

数キロ先で戦う二匹の巨大生物が、モニター越しに見えた。

「印を持たないガンスロンのミサイルは、やつらには届かない!機を見て、弱ってるやつから、印を奪うぞ」




コブラは巻き付き、カブトムシを絞め殺そうとしているが、なかなか巻き付くことができない。

逆に、カブトムシの三本の角が、コブラの体を切り付けていた。

「日本のカブトムシじゃないわね」

画面に映るカブトムシを見て、真由は呟いた。

潤一郎は、まどかとともに、基地内でいらいらしていた。

「早くしろ…」



何とかコブラが、カブトムシに巻き付き、締め付けようとするが、カブトムシの表面は固い。

とぐろを巻きながら、二匹は膠着状態になる。

「今が…好機!」

ガンスロンは、真由を乗せて、一気に線路から、市街地を越え、

二匹に近づいていく。


「まどか!ミサイルを数発!煙幕に使うぞ!」

「はい!」

どうやら、コントロールシステムは…向こうにあるらしい。

真由は突然の加速で、シートにめり込んだ。


ガンスロンのミサイルポットが開き、数発のミサイルが、二匹を囲むように、地面で爆発し、砂埃が上がる。

逃げ惑う鹿達。

「天然記念物だろが…」

真由は、身動きが取れない。

画面の端に、東大寺が見えた。

「印は、どこだ?」

潤一郎の言葉に、まどかはマウスを走らせた。

ガンスロンの額が、光り、砂埃の中、スキャンする。


「コブラの後頭部に、反応あり」

「真由!左手を突き出せ!」

「えええ!」

「まどか!ミサイルの音に、やつらはパニックになっている!もっと撃て!」

コブラとカブトムシは、パニックになり、変な風に絡まっていく。

その周りを、鹿が逃げ回っていた。

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