巨大ロボ!戦え! ガンスロン
「チッ!」

女の子らしくない舌打ちをすると、真由は左手を突き出し、ボタンを押した。

鮫は腕が届く範囲まで、来てなかったが、

ガンスロンの右手の先に装備されたガトリング砲が、火を吹いた。

「シューティングゲームは、得意なのよ!」

弾は、全弾命中した。

表皮には、弾き返されたが、大きく広げた口の中には、数発が当たった。


ホバーリングシステムで、空中を横に移動したガンスロンは、水中に潜った鮫の動きを探った。

水面に、鮫の血が漂っていた。

「ダメージは与えられたが…」

潤一郎は渋い顔をした。

鮫が、水中に潜って出てこないのだ。


「誘ってやがる…」

空中にいるガンスロンの真下に、鮫はいるが、浮上してこない。


「血の匂いを嗅いで…明らかに、興奮しているはずだが……」

先程の攻防で、荒れた海面は、下が見えない。


「仕方がない。誘いに乗るか…」

潤一郎は頷き、

「真由!ガンスロンは水中に潜るぞ」


「え!」

真由に選択権はない。

「水中では、ガンスロンの能力は…30%低下しますが…」

まどかの冷静な言葉に、

「仕方あるまい!こうなることはわかっていた…」

水中では、回転する円盤も遅くなる。

潤一郎は、遥か向こうに見える陸地を、見た。


「やつを…浅瀬まで誘導するぞ!まどか!真下に、ミサイル発射!水中に潜ると同時に、ガンスロンは浅瀬に向けて、ダッシュだ!」

「わかりました!」


水中に、飛び込む前に、背中のミサイルポットから、数発のミサイルが発射され、凄まじい水柱が上がり、

ガンスロンは水中に潜った。 

「やったの?」

真由の言葉に、

「いや…」

潤一郎は、冷静に海面を見下ろした。すぐに、コントローラについてあるディスプレイに目をやり、ガンスロンからの映像を睨んだ。


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